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【農地転用】転用許可の一般基準


注意こんにちは。


兵庫県高砂市の行政書士、石井です。


以前、農地転用の立地基準をご紹介しましたが、立地基準に適合するからといって転用が認められるわけではなく、申請内容が一般基準にも適合している必要があります。以下、一般基準について概説していきますが、一般基準に適合するかどうかは、申請に係る農地の所在地、転用目的、事業規模など、諸般の事情を総合的に勘案して審査されます。見切り発車をして結局許可が下りなかったということがないように、しっかりと事前調査を行うようにしましょう。


一般基準の具体的な内容は以下の通りです。いずれかに該当すると不許可になります。



  • 申請者に必要な資力及び信用がないと認められる場合(法4条2項3号)

  • 転用行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていない場合(法4条2項3号)

  • その他当該申請に係る用途に供することが確実と認められない場合(法4条2項3号)

  • 周辺の農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがある場合(法4条2項4号) 

  • 一時転用の場合において、その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められない場合(法4条2項5号)


目次

申請者に必要な資力及び信用がない

市街化区域でも農地法3条は「許可」

申請者に信用があるかどうかは、申請者の権利能力・行為能力の有無の確認のほか、申請者の過去の行動を基準に判断されます。
過去の行動とは、例えば、過去に転用の許可を受けたが申請内容通りに転用事業を行っていないことがあると、「信用」はないものとされます。
また、農地法3条の許可を受けて間もないうちに転用の申請をする場合も、「信用」がないものとされるので注意が必要です。
必要な資力があるかどうかは、残高証明書などで資金計画の妥当性を証明することになります。

転用行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていない

転用の妨げとなる権利とは、所有権、地上権、永小作権、質権、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利(法3条1項本文)をいいます。
使用貸借権については、作付け中収穫前に転用に着手する場合は、使用貸借者の同意を得る必要があります。

その他当該申請に係る用途に供することが確実と認められない

農業

申請に係る用途に供することが確実と認められない場合について、以下のように規定されています(農地法施行規則47条)

・許可を受けた後、遅滞なく、申請に係る用途に供する見込みがない場合。
・申請に係る事業に必要な行政庁の免許、許可、認可等の処分がされる見込みがない場合。
・申請に係る事業に関して法令に義務付けられている行政庁との協議を現に行っている場合。
・申請に係る農地と一体として申請に係る事業の目的に供する土地を利用できる見込みがない場合。
・申請に係る農地の面積が申請に係る事業の目的からみて適正と認められない場合。
・申請に係る事業が工場、住宅その他の施設の用に供される土地の造成(その処分を含む。)のみを目的とするものである。

許可を受けた後、遅滞なく、申請に係る用途に供する見込みがない

「遅滞なく、申請に係る用途に供する」とは、工事の着手から申請に係る用途に供するまでを、概ね1年以内に行うことを意味します。

なお転用の許可には、工事の進捗報告・完了報告を条件とするのが原則です。許可証をもらう際に進捗・完了報告書も一緒にもらうので大丈夫かとは思いますが、報告漏れの内容に気を付けましょう。

申請に係る事業に必要な行政庁の免許、許可、認可等の処分がされる見込みがない

行政庁の免許等の見込みについては、当該処分がされたことを確認し、また手続中の場合は担当部局から意見を聞いたうえで判断されます。開発許可・建築許可については、転用許可と同時許可されるのが一般的なようです。

申請に係る事業に関して法令に義務付けられている行政庁との協議を現に行っている

法令等によって事前協議が義務付けられている場合、協議の結果により施設等の立地が変更される可能性があります。したがって、この協議が終了していない間は、農地転用の確実性がないものと判断されます。
そもそもこのような事前協議を行っていない場合も、農地転用の確実性がないものと判断されます。

申請に係る農地と一体として申請に係る事業の目的に供する土地を利用できる見込みがない

転用事業が、申請に係る農地と併せて農地以外の他の土地を利用する計画である場合、その農地以外の土地が申請目的に利用できるかどうかについて審査されます。

申請に係る農地の面積が申請に係る事業の目的からみて適正と認められない

農地法3条の許可申請

「適正」の判断は、その事業目的の規模をみて判断されます。例えば
宅地に転用するのであれば家屋、倉庫、駐車場及び庭敷き等の面積、
資材置場であれば資材の種類及び 数量等、
自家用以外の駐車場であれば注射する自動車の種類や台数等、
これらを配置図その他の資料を基に確認し、申請に係る農地の面積をもって妥当かどうかを審査されます。

申請に係る事業が工場、住宅その他の施設の用に供される土地の造成(その処分を含む。)のみを目的とするものである

実は転用の許可を取得して土地を造成した後に、当該土地を売買するなどといった、投機的な土地の取引を認めないという規定です。
当該土地の造成がもっぱら施設の用に供されることを目的としているかどうかは、土地を造成する主体、施設を利用する必要性・確実性などを、各種資料により証明することになります。

周辺の農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがある

「周辺の農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれ」としては、たとえば次のようなものが該当します。
・土砂の流出又は崩壊その他災害の発生
・農業用用排水施設の有する機能の支障
・集団的に存在する農地の蚕食又は分断
・周辺の農地における日照、通風等の支障
・農道、ため池その他の農地の保全又は利用上必要な施設の有する機能の支障

手続きとしては、周辺農地の所有者に同意書を書いていただくことになります。

一時転用の場合において、その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されることが確実と認められない

建設業の許可要件

「その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供される」とは、一時的な利用に供された後、速やかに農地として利用することができる状態に回復されることをいいます。

「一時的な利用」とは、資材置場 、土砂置場、臨時駐車場、イベント会場など、転用後の利用目的から見て農地等への原状回復が容易にできる場合をいいます。また、一時利用として認められる期間は、利用目的との兼ね合いで一概には言えませんが、農用地区域内農地の転用であれば概ね3年以内、それ以外の農地の転用では概ね5年以内が目安になるでしょう。

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